鈍色望遠鏡

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基準作成

ライトノベルの分析をする際に使っている、やや特殊な語句の意味をメモしておきます。



「登場人物の役割」の欄について
ここで使っている語句は、主に大塚英志氏の著書からの引用です。
『1?γ』の説明は、それぞれがそのまま「そこに分類される登場人物の役割」の説明であるのだと考えてください。

1.『主人公』⇒「自己犠牲となる」存在、もしくは、「学び成長する」存在。物語の中心存在。

2.『贈与者』⇒「賢者」とも呼ばれる。主人公の良心部分を担う存在。主人公に何かを与える存在。

3.『境界守』⇒「門番」とも呼ばれる。「こちら側(それまでいた現実)」と「むこう側(これから行く異界)」の境界を象徴する存在。

4.『使者』⇒「依頼を行う」存在(プロップの意見)。「主人公に成長の時が来たことを告げる」存在(ホグラーの意見)。物語が始まるきっかけとなる存在。

5.『変化するもの』⇒気分や外見が変化していく、つかみどころない存在。主人公の異性であることが多い。「変装」・「仮面」・「属性の変化」も「変化するもの(シェイプシフタ―)」の機能。「魔性の女(ルパン三世の峰不二子が象徴的)」などもここに含まれる。(整理されきっていない概念)

6.『影』⇒「敵」。特に「主人公の負の自己実現」としての敵。主人公を「光」としたときの「影」としての存在。多くの場合、光と影の対立は、「和解」によって決着がつけられる。

7.『トリックスター』⇒「いたずら者」とも呼ばれる。主人公が越えられない境界をあっさり越えてしまう者。(参考までに言うと、北欧神話の「ロキ」などが「トリックスター」の代表格とされることが多い。ただし、この分類にあてはめるならば、「ロキ」は「変化するもの」に入るかもしれない。どうなのだろう?)

α.『移行対象』⇒「ライナスの毛布」・「姥皮」とも呼ばれる。主人公を一時的に庇護する存在。あくまでも「一時的に」庇護する存在なので、多くの場合、作中で主人公との離別が描写される。「人物」ではなく「道具」であることが多い。1?7の分類にあてはめるとすると、2の『贈与者』、もしくは「贈与者によって与えられた物」がこれに当たることが多いだろう。「大人になりきれない」人物に必要とされる。

β.『恋愛対象』⇒主人公が好きになる相手(仮の相手)。もしくは結ばれる相手(真の相手)。1?7の分類にあてはめるとすると4の『使者』がこれに当たることが多いだろう。

γ.『真の目的』⇒主人公の真の目的。到達点。「物語」(「冒険」と言い換えても良い)の中で、主人公が得るであろうかけがえのないもの。また、主人公が(自覚なしに)求め続けているもの。

補足すると、『1?7』はクリストファー・ホグラーの唱える「ハリウッド映画におけるキャラクターの七種の分類」、『α』はドナルド・ウィニコットの唱える「移行対象」論、『β』はウラジーミル・プロップの唱える「昔話の31の機能」において「王女」が持つ性質、をちょっとだけ語句を変えて使ったものです。
『γ』は、小説の方向性を見極めるのに必要な要素だと思い、私が適当に付け足しました。

『1?β』の概念の大まかな部分は、大塚英志氏の著作の中でも特に、『ストーリーメーカー』及び『キャラクターメーカー』からの引用で成り立っているので、興味がある人はこの二冊を読んでみてください。


「物語の構造」の欄について
ここで使っている語句は、リンダ・シガー『ハリウッド・リライティング・バイブル (夢を語る技術シリーズ)』からの引用です。


『三幕構成』⇒物語を「第一幕」、「第二幕」、「第三幕」という三つの段落(場面)に分けた構成。ハリウッド映画の基本的な構成。

『セットアップ』⇒物語の始まり。物語の「柱」や「方向性」を明示する部分。具体的には、「主人公は誰か」、「何についての物語か」、「どこを舞台にしているのか」、「コメディか、ドラマか、悲劇か、人間喜劇か」といったことを読者に伝える。この『セットアップ』から『第一ターニングポイント』までの間が、「第一幕」となる。

『第一ターニングポイント』⇒物語の転換点。物語の展開にひねりを加え、読者の興味を持続させるような「事件」が起きる部分。物語の序盤にある。この『第一ターニングポイント』から『第二ターニングポイント』までの間が、「第二幕」となる。

『第二ターニングポイント』⇒物語の転換点。物語の展開にひねりを加え、読者の興味を持続させるような「事件」が起きる部分。物語の後半にある。この『第二ターニングポイント』から『レゾリューション』までの間が、「第三幕」となる。

『クライマックス』⇒物語の最高潮。それまでに提示されてきた「謎」や「疑問」などが明らかにされる部分。具体的には、「探偵物語で犯人が特定されるところ」であり、「成長物語で主人公が決断するところ」であり、「恋愛物語で恋愛が成就するところ」である。

『レゾリューション』⇒物語を完全に解決(解明)する部分。「後日談」に相当する。『クライマックス』で明かされなかった事実や、解決されなかった問題などが全て解決される。いわゆる「オチ」。

『ミッドポイントシーン』⇒物語のまんなかあたりにある、物語を前半と後半に大きく分割する点。「第二幕」の方向性を変える部分(方向性を変えることで物語が「なかだるみ」することを防ぐ)。『第二ターニングポイント』のための伏線でもある。

『サブプロット』⇒物語を構成する一エピソード(小話)のこと。物語全体を「メインプロット」、その構成要素である一エピソードを『サブプロット』と呼ぶ。本筋に直接的には関係の無い「事件」のこと。





とりあえずこんな感じです。
うん、説明してもまだややこしいですね。
まあ、よくわからない部分があったら、適当に読み飛ばしちゃってください。
どうしても気になる方は、web拍手かメールフォームで質問してくださればお答えします。

また何か追記するかもしれません。

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